専門医養成研修

メッセージ

大学病院で専門研修をスタートする意義

福井大学医学部附属病院長 腰地 孝昭

 医師免許取得後の第一歩である初期研修を終えて、いよいよこれから皆さんのキャリアパスの基礎を形作る専門研修が始まります。表現を変えると、皆さんが医学部を志した時から人生をかけて登り続ける山の頂までどのルートを歩むのか、重要な選択の時です。初期研修で色々見てきて、何が自分に合っているのか、自分の能力を活かせるのは何かと悩むことも多いでしょうが、どうせ迷うなら直感で一番好きな道を進んでください。つまらない打算で自分の人生を型に嵌めると後悔しかねません。医師として最も光り輝く10年、20年後の将来に向かって、私たちと一緒に次の一歩を踏み出しましょう。

さて、ご承知のようにいよいよ2017年度からは新専門医制度が開始されます。福井県でも大学病院を基幹病院とした18のプログラムが準備され、すでに説明会も行われています。福井大学のプログラムの特徴は、基本的に県内すべての基幹病院を含む主要な研修病院が網羅されていることです。すなわち、行政や他の基幹病院などとの調整がスムーズに行われ、県内の研修環境としては最良なものが皆さんのために用意されています。もともと基本領域の専門医は都道府県単位で完結することが原則となっていますが、他の都道府県では必ずしも全県一区の研修環境が整っていません。そう言う意味で、福井県では県を挙げて将来の医療を担う人材の育成に努める土壌が整っています。

一方で、県外に出て都市部の研修病院に行けば症例が豊富だと思われる方もあるでしょうが、集まる修練医も多いので必ずしもそうではありません。さらに、大学病院にはありとあらゆる領域の専門医や教育のプロがいますので、一般の医療から高度医療まで指導環境は抜群です。さらに、研修の間に臨床研究を行ったり、大学院に入って基礎研究を行ったり、多彩な選択肢があることも大きな魅力です。この研修の間に、単なる専門医を取得すると言う目的だけでない、医師としてのキャリアアップが自然と実現できるのです。

最後に、専門研修は皆さんがこれまで歩んできた卒前臨床実習、初期臨床研修の単なる延長ではありません。これまで多能性幹細胞であった皆さんを分化・成熟に導く重要な過程です。その分、私たち指導医にも気合いが入ります。それと同時に、本当の意味でこれから皆さんは苦楽を共にする仲間となり、家族の一員として迎えられます。将来の福井大学附属病院や福井の医療を支える人だけでなく、そこから大きく羽ばたいて自分の夢をつかむ熱意に溢れたみなさんが、数多く当院の門を叩いてくれることを心より願っています。