センターの設立
1.センターとは
設置の趣旨
福井大学医学部附属病院は昭和58年10月に開院し、平成20年に病院開院25周年を迎えることとなった。医学部附属病院では、病院開院25周年記念事業として「福井大学医学部附属病院附属病院臨床教育研修センター」を設立することとし、総工費3億円(予定)で、平成20年2月より主に医学部同窓会を中心としたOB、関連病院、学内教職員 等より募金を募り、法人本部の支援も得てこのたび建設に至った。 このセンターは、「次世代を担う医療人を育むために」をテーマに、新人医師・看護師を始めとして、学生の臨床教育や院内外の医療職の方に技術や知識を修得する場を提供することを最大の目標にしている。
建物の概要
建設場所 | 福井大学松岡キャンパス 医学部附属病院南側(高エネルギー治療棟南側) (福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3) | |
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建築面積 | 605m2、延床面積 1109m2、鉄骨鉄筋コンクリート構造、2階建 | |
工期 | 平成20年9月~平成21年3月 | |
竣工 | 平成21年3月24日 | |
主要室 | <1階> 研修医室(1)共用室 76m2(仮眠室あり) 研修医室(2)個人机配置 113m2 セミナー室3 37m2(12名収容) 男子・女子更衣室 各39m2(シャワー室あり) | <2階> メインホール(白翁会ホール) 204m2(120名収容) セミナー室1 81m2(30名収容) セミナー室2 59m2(30名収容) |
建築コンセプト
福井大学医学部附属病院は、福井における医療教育の中心である。センターは、医療の未来を担う人材、地域の医療を支える人材の育成拠点としての役割を持っている。 本建物を医学部および附属病院の優れた教育を象徴する施設と位置付け、外観を風格がありアカデミックな雰囲気とした。 南側壁面を垂直方向に構築する窓と柱は大空へ向かう上昇のイメージを想起させ、かつ、差し込む光が室内を明るく照らすデザインとした。 研修の利便性を考慮し、外部と附属病院からそれぞれアクセスできるような動線計画とした。 また、各室を結ぶロビーを交流スペースと位置付け、教育・研修・交流の相乗効果を期待できるものとした。
2.センターの役割
1)初期研修医の先生方の勉強・交流の場
本院で研修される初期研修医の先生の数が次第に増えてきました。これは院内外の多くの方々の御理解と御支援によるもので、この場をお借りして心からお礼申し上げます。この建物の最大の目標は、50名を超える初期研修医の先生方が独自に勉強会を企画、準備をしたり、先生同士が交流したりする場を確保することで、研修の益々の充実を図り、将来、福井県で働く医師の確保につなげようというものです。また、「臨床教育研修センター」の隣には「福井メディカルシミュレーションセンター」が併設され、研修医をはじめ様々な職種の方々が、シミュレータを使用したトレーニング、勉強会を随時行っています。センターでは、活発な交流の場となるよう様々な要望に対応しています。
2)講習会、セミナー
院内外の医療職、患者さん、御家族が参加できる講習会、セミナーを頻繁に開催できる部屋をできるだけ多くこの建物の中につくり、多くの方々の利用に備えようと設計していただきました。120名程収容可能な大研修室を2階に作り、その他のスペースはセミナー室として利用していただけるようにしました。
3)人のつながりの場
医師の偏在から医療危機が社会問題となり、地域での医師養成が大きな課題となる時代にあって、臨床教育の姿勢、手法、教育環境の整備が患者さんや御家族、地域の住民の方々、行政の方々も含めて、総力戦で取り組めた地域において、医療再生が成し遂げられると確信しております。この「臨床教育研修センター」がそういう多くの方々の顔が見える人のつながりができる場になることを願っています。