メッセージ
「福井大学医学部附属病院での歯科臨床研修」
研修責任者 吉村仁志(1999年長崎大学卒 専門分野 口腔外科学)
当施設では、臨床面においては、口腔外科疾患・有病者歯科治療・周術期口腔機能管理に重点を置いて取り組んでいます。口腔外科疾患では、地域の歯科医院や病院歯科口腔外科と連携し、高精度かつ低侵襲な治療を心掛け、入院期間の短縮と早期の社会復帰を目指した医療の提供に努めています。有病者歯科治療では、全身疾患を有する患者さんの増加に対応するため、医科歯科連携・病診連携の推進を図り、安全な治療の提供に取り組んでいます。周術期口腔機能管理では、保存学や補綴学の知識や技術を活かして、他科に入院される方の早期回復・早期退院を目指した歯科治療の提供を心掛けています。 当施設での研修では、高い倫理観を持って患者中心の全人的および包括的な歯科口腔外科医療を行える力を養うことを目標にしています。また、口腔外科の専門的な臨床技能を提供できる能力を有する臨床医の育成を目指しています。1年目には一般歯科医療に加えて他施設での障がい者歯科や訪問歯科診療を組み入れ、また2年目は希望に応じて麻酔科での研修を受けて頂いています。口腔外科疾患の患者さんを早期から担当し、個人の技量に合わせながら指導医の元に手術にも取り組むことができる環境にあります。口腔外科の専門医や指導医などの取得も視野に入れて研修に励んでいただければと思います。有病者の患者さんを多く担当することで医学知識も深まり、より良い医療の提供のために必要な多職種連携も身に付いていきます。当施設では研修を行いながら学位の取得が可能な制度もあります。希望される方は、口腔外科の課題を学びながら研究手法を習得し、口腔外科学の発展に繋がる研究に取り組むことも可能です。 超高齢社会となり、要介護状態となっても住み慣れた地域で生活できるように、地域包括ケアシステムの構築が進められています。このような社会の変化において、歯科医師は、従来の歯科疾患の治療だけではなく、医師や薬剤師、看護師、介護支援専門員等の他職種との連携による医療の提供が求められています。チーム医療・地域医療・多職種連携を実践できる、また多様なニーズに対応できる歯科医師を目指す上でも、医学部附属病院での研修は極めて有用であると考えます。当施設での研修を希望される方はぜひ入局して頂き、より良い医療人として成長して頂ければと思います。
「福井大学医学部附属病院における歯科医師臨床研修」
研修医 東 美貴子
福井大学病院での臨床研修を修了し、4月から2年目になりました。私は大阪出身で大阪育ちなので福井県には縁もゆかりもありませんが、抜歯に興味があり、この病院を選びました。ここでは4月に入って早い人だと5月頃より簡単な抜歯から挑戦させてもらえます。ちなみに、私が研修医の時に初めて行ったのは顎骨骨折の顎間固定でした。当科では、智歯抜歯や有病者の抜歯をはじめ、顎関節症、蜂窩織炎、骨折や周術期口腔ケアなどの幅広い症例を経験することができます。また、長期入院の患者に対しては一般歯科治療も行うため、歯科治療も経験することができます。
また、耳鼻咽喉科・頭頸部外科と合同で行う手術にも参加させていただき、他科との連携の重要性や、より広い視点から口腔領域を捉える経験が得られました。多職種とのチーム医療に触れながら、医療人としての姿勢や責任感も養われたと感じています。
口腔外科は厳しい印象がありますが、当科の先生方は親しみやすく、症例の相談はもちろん、日常生活でも困ったことがあれば助けてくれます。また、研修医寮は初期費用なく、月2万円で借りられるので、生活費の心配は無いかと思います。
まだやりたいことが分からない方でも、口腔外科と一般歯科を経験し、やりたいことを見つけられる所です。これから研修先を考える方におすすめできる病院です。ぜひ一度見学にいらしてください。