脳神経外科
研修の特徴
01疾患に偏りがない
幅広い治療を担当
都会の大学病院ではその大学が得意とする治療を要する患者さんが多く紹介され、疾患に偏りがある場合があります。福井県では特定機能病院は当院のみであり、さまざまな患者さんが紹介されてきます。脳腫瘍については、悪性グリオーマや頭蓋底腫瘍、下垂体腺腫、神経内視鏡など多岐にわたる治療を行っています。脳血管障害については、開頭を含めた直達術とカテーテル治療の両方を行っていることが特徴です。例えば、脳動脈瘤に対しては開頭クリッピング術とコイル塞栓術、頸動脈狭窄症に対してはCEA(内膜剥離術)とCAS(頸動脈ステント術)を行っています。病気の性質や年齢等を鑑み、最適と考えられる方法を提案しています。脊椎脊髄や機能外科の手術もありますので、興味を持ってもらえる治療があるはずです。
02救急対応や
急変時の対応を学べる
みなさんは目の前に痙攣している患者さんがいた場合、自信をもって初期対応ができますか? 初期研修は病棟での対応がメインとなりますが、救急患者の対応も経験できます。救急で多い疾患は脳血管障害と頭部外傷です。これらの初期対応ができるように指導します。脳神経外科に興味があまりなくても、将来全科当直を担当することがある診療科、神経内科や総合診療、救急を志す方はぜひローテートしてほしいと思います。これら救急疾患に対する脳神経外科医の視点をお伝えします。
03疑問に思ったことを
すぐに解決できる体制
メインとなる病棟研修では、主に中持ちの先生と組んで診療に当たります。脳神経外科医がどのような視点で患者さんを観察しているか、合併症や経過の予測をしているかを共有し、医療者としての視点を養成します。上級医に相談しやすいように配慮しており、疑問に思ったことをすぐに解決できるようにしています。
04外科だけでなく
一般臨床医として必要な手技、知識を
CVやPICC、動脈ライン挿入、血管撮影の基礎や基本的切開縫合など、外科だけでなく一般臨床医として必要な手技に積極的に取り組んでいただきます。特にできるようになって欲しい手技としてはCVやPICCの挿入、腰椎穿刺などがあります。基本的な手技からピットフォールまで指導します。
患者さんの症状・病態を論理的に説明するためには神経系以外にも、内分泌や感染症など内科の知識も必要です。
1対1対応でない、患者さん全体像の把握ができるよう一緒に検討します。
05チーム医療に対する
理解&行動を学ぶ
治療は医師だけでは成立しません。特に手術や、リハビリテーションでは多職種との連携が必須です。上級医と一緒に看護師、リハビリスタッフとの連携がスムースにできるような関係づくりを目指します。また患者さんとの信頼関係の構築は医療者にとって非常に重要です。病状説明や手術説明を一緒に行い、患者・家族が理解・納得して治療が受けられるように努めます。
指導医(上級医)からのメッセージ
脳神経外科東野 芳史先生
「頭部外傷、脳卒中、てんかん発作の患者さんを落ち着いて診察できますか?」
初期研修の2年間に、救急外来でこれらの患者さんと必ず出会います。神経救急に対する脳神経外科医の考え方をぜひお伝えしたいと思います。
研修内容でこだわっているのは、細かな知識よりも医師としてのポリシーです。鉄は熱いうちにしか、形成することはできません。最初の2年間、福井大学病院で多くの指導医と出会ってほしいです。多くの考え方や姿勢を目にすることで、自分の医師像が形作られていきます。患者さんの病状から合併症や経過を予測し、社会的背景まで考えて責任ある治療を行います。またコメディカルと共同して患者さんの治療に携わることで、医療者としての視点を養い、チーム医療に対する理解を深めます。特に神経疾患に自信がない方こそ大歓迎です。臨床実習とは見える世界が異なります。一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。ぜひ選択してみてください。
後期研修医(専攻医)の声
脳神経外科坪田 忠大先生
大学病院では他病院で治療困難なものからcommonなものまで、多様な症例を経験することができます。指導医の先生方も多く、様々な分野の様々な視点からご指導いただけるので大変勉強になります。脳神経という限られた領域の中でも脳血管障害、脳腫瘍、外傷、脊椎疾患や機能的疾患など幅広い分野があり、手術手技だけでなく周術期の全身管理や病棟管理、外来診療など、頭と手と口をフル活用できる環境です。わからないことだらけで無力さを痛感する日々ですが、先生方に助けていただきながら楽しく過ごしています。