病理診断科/病理部
研修の特徴
01臨床に出ると
病理の重要性を実感するはず!
病理診断科/病理部での研修は、将来臨床科に進んだ場合にも、必ず役に立ちます。初期研修の間に病理医と仲良くなっておくことで、今後も気軽に病理部に出入りでき、電話も掛けやすくなり、病理部を有効に活用できます。実際に臨床科での専門医研修を始めると、診断内容について確認したい時や、臨床経過が典型的でない時、治療の選択に迷っている時など、病理医と相談したい場面が必ず出てきます。臨床と病理が密に連携することは、医療の質を上げることにつながり、お互いにとっても病院にとっても患者さんにとってもいいこと尽くしです。ぜひ、4週から選択可能ですので、初期研修の間に病理診断科/病理部を選択してください。
02勉強と自由のバランス!
病理診断科は他科に比べ、緊急を要する仕事が少ないです。そのため、比較的自由に時間を使えます。病理診断に関する勉強はもちろん、興味のある疾患の理解を深める時間に使ったり、学会発表の準備を行ったり、論文や教科書を読んだり、自分に必要な勉強の時間を確保できます。日本語・英語を含む豊富な教科書がそろっており、当院で過去に診断された標本はすべて保管されているので、希少疾患についても勉強できます。休暇も取りやすいので、ぜひ活用してください。
03病理診断科で
学べることの具体例
研修では病理診断報告書の下書きを自分で作成しますので、診断書に記載されている用語の意味を理解できるようになり、顕微鏡を使った写真の撮り方やバーチャルスライドも操作できるようになります。また、毎日検体の切り出しを病理医と共に行いますので、肉眼写真の撮り方や検体処理の仕方、切り出し方法を学べます。病理解剖に副執刀医として参加し、一緒に解剖診断を行って、CPCに参加したり、レポートを作成したりすることができます。研修を通して迅速診断や病理診断の「限界」についても知ることができます。
04研修内容はあなた次第!
可能な限りコミットします!
研修内容はカリキュラムに書かれていますが、実際には、興味のある臓器や疾患に集中して取り組むこともできますし、全身さまざまな臓器をまんべんなくみることもできます。研修医それぞれに合わせて、可能な限りご要望にお応えしていますので、進路が決まっている方には、それに合わせて研修していただけます。研修中に担当した患者さんや、見学した手術で得られた標本等を自分で診断できます。また、病理は座り仕事が多く、患者さんと会わないので、体や心がつらい時や妊婦さんでもできる仕事があります。
05若手病理医に気軽に相談できる!
病理診断科/病理部では、近年若手の病理医が増加し、医師6名 (部長・特命助教・病理専門医1名ずつと専門研修医3名) が在籍しています。特に話しやすい人が多いので、研修医の方々は診断のことはもちろん、人生相談まで毎日気軽に相談しながら仕事に取り組めます。また、現在福井県立病院・国立病院機構敦賀医療センターおよび市立砺波総合病院にそれぞれ1名ずつが常勤病理医として赴任し、福井赤十字病院や公立小浜病院、勝山病院にも非常勤医として勤務しています。困ったことがあれば何でも相談してみてください。
指導医(上級医)からのメッセージ
病理診断科/病理部山口 愛奈先生
病理の仕事をしていると、私たちの体が一つ一つの細胞から出来ていることを痛感します。病気になると、これらの細胞の”見た目”や”分布”に変化が起こります。その変化をみて、どのような病態なのかを考える病理診断は、とても奥が深くて面白い世界です。当科は大学病院らしく、全身の臓器に起こるあらゆる病気をみるため、将来どの科に進む先生でも有意義な研修ができるようサポートすることが可能です。希望する科になるべく沿った形で、病理検体の見方や、手術材料がある場合はその切り出し方などを指導いたします。病理を目指す先生はもちろん、その他の先生も自分の目指す分野の理解を深めるために、ぜひ病理診断科にお越しください。また近年では、遺伝子検査が非常にホットな分野です。検査に提出する病理検体の取り扱い方なども実際に見て学んでいって下さい。
後期研修医(専攻医)の声
病理診断科/病理部村元 暁文先生
進路やキャリアに思い悩み、このページに行き当たったあなた。これも出会いの一部として、少しお付き合いいただきたい。
進路やキャリアは十人十色です。今の日本の医師業界では、最初に選択した科をやり続ける人がほとんどです。もちろん仕事は続ければそれだけ価値が上がるものなので、続けることができる仕事を見つけられた人は、多少不満があろうとも幸運といえるでしょう。でも大学出てすぐに、いきなり医師として働かされ、「君はチームのリーダーだ」と急に責任ある立場に置かれてしまうあなた。そんなあなたが、「続けられるかどうか」という視点で、冷静かつ俯瞰的に進路を選択する余裕があるでしょうか。私はありませんでした。
私はとある事情で臨床科から病理診断科に移りました。結果として続けられなかったので、臨床は私には向いていなかったのかもしれません。進路は人生で一番悩みましたが、病理診断科ならびに大学の講座の門戸はザルといっていいほど開かれていたので、オールドルーキーの私でさえ、あまり苦労なく入って行けたように思います。周りは気を使ってくれているでしょうけれど。
おじさんにも優しい病理診断科、いつからでも始められます。
要はザルなので、ちょっとでも考えている人は1回見に来てほしいし、人手が足りないから助けて下さい、という話です。ちなみに写真は、私の虫垂のH-E標本です。御評価お願いします。
病理診断科/病理部米元 菜採先生
福井大学病院では専門研修と子育てとの両立が可能です。当院には、充実した保育施設があり、実際に娘2人の子育てをしながら後期研修を実施できました。子供が乳児の頃から毎日一緒に通勤し、勤務中に急に子供が怪我や体調不良になった時でもすぐに対応できるため、安心して働けます。義母の力も借りながらですが、朝早くから夜遅くまでフルタイムで仕事を続けられたのは、当院に早朝・延長・時間外まで対応してくださる保育園があったからだと感じています。園の先生方には、心から感謝しています。また初期研修から連続して専門研修に入ることで、他科の先生とも気軽に相談しやすく、臨床と密に連携して診断にあたれます。病理診断科には和文・英文を含む教科書が充実しており、診断はすべての症例で上級医からの指導とダブルチェックが行われています。若手の仲間と一緒に自己実現に向けて、理想的な環境で研修できます。